SQ4R法:教科書や講義資料をもっと効果的に読む方法
NotizAI editors · · 8分で読めます
SQ4R法とは
SQ4R法は、学習用のテキストを6つのステップで読む方法です。Survey(概観)、Question(質問)、Read(精読)、Recite(暗唱)、Record(記録)、Review(復習)の6つです。章を最初の1行から最後まで読んで、少しでも頭に残ることを願う代わりに、まず全体の構成を見て、それを問いに変え、問いに答えるつもりで読み、答えを声に出して言い、書き留め、あとで見直します。40ページの教科書の章にも、教授が授業のページにアップロードする講義資料にも、内容の詰まった学術論文にも使えます。
SQ4R法は、アメリカの心理学者フランシス・ロビンソンが1940年代に、たくさん読むのにあまり覚えていない学生のために示した SQ3R 法から生まれました。SQ3R は Survey、Question、Read、Recite、Review の頭文字です。SQ4R で追加されたもう一つの R は、たいてい Record、つまり答えを自分の言葉で書き留めることです。ただし、4つ目の R を Relate(関連づけ)や Reflect(振り返り)とするバージョンもあります。どのバージョンにも共通する考え方は同じです。何かに答えようとしながら読むとき、読書は能動的になります。
そもそも、なぜわざわざ方法を使うのでしょうか。読み返すことは勉強した気になれますが、身につくのはほとんど「見覚え」だからです。ページに見覚えがあるので、わかっている気になります。ところが試験で、ページを見ずに何かを説明するよう求められた瞬間、その感覚は消えてしまいます。SQ4R には、本当に効果のある2つの要素が組み込まれています。記憶から情報を引き出すことと、間をあけてもう一度それに戻ることです。
Survey と Question:本格的に読む前に
Survey(概観)は、テキスト全体にざっと目を通すことです。1章なら5〜10分ほど。タイトル、序論、見出しと小見出し、太字の部分、図とそのキャプション、章末のまとめ、確認問題に目を通します。講義資料なら、最初のスライドにある学習目標や最後のスライドも見ておきましょう。最後のスライドには、講師が一番大切だと考えていることが書かれていることがよくあります。この段階では、まだ理解しようとしなくてかまいません。細かい内容を収める場所ができるよう、地図を作っているのです。
Question(質問)は、その地図を問いに変えることです。見出しを一つずつ、試験で聞かれそうな問いに書き換えます。「弾力性の決定要因」なら「ある財の需要が弾力的になったり非弾力的になったりするのはなぜか?」に。「収入と弾力性」という図のキャプションなら「価格が下がると総収入はどう変わるか?」になります。読み始める前に問いを書き出しておきましょう。それぞれの下に少し余白を残しておくのが理想です。
良い問いは、開かれていて具体的です。「Xとは何か?」は出発点にはなりますが、「なぜXが起こるのか?」「XとYはどう違うのか?」「もし…だったら何が変わるか?」のほうが理解が深まります。過去問があるなら、その動詞に注目しましょう。試験で計算・比較・説明が求められるなら、自分の問いでも同じことを求めるべきです。
Read・Recite・Record:SQ4R法の中心
Read(精読)では、問いを頭に置きながら1つのセクションずつ読みます。理解できる速さでゆっくり読み、重要そうなところに片っ端から線を引くのではなく、答えを探しましょう。セクションが問いに答えていなくても、それはそれで役に立ちます。問いがずれていたか、テキストが別のことに答えていて、それをメモしておくべきだということだからです。
Recite(暗唱)は、各セクションを読み終えたらすぐに行います。本を閉じるか、タブレットを伏せて、勉強仲間に説明するつもりで、自分の言葉で問いに声に出して答えます。ほとんどの人が飛ばしてしまうステップですが、最も効果が大きいのはここです。答えられなければ、まだ簡単に直せるうちに穴を見つけたことになります。そのセクションを読み直して、もう一度挑戦しましょう。
Record(記録)は、答えを問いの下に簡潔に書き留めることです。一文か二文、公式、小さなスケッチ、例など、短くまとめます。読みながらではなく、暗唱したあとに書くことで、テキストの文章をそのまま写すのを防げます。しかもノートは最初から問いと答えの形になっていて、まさに復習に必要な形です。
- Read:1つのセクションに1つの問い。蛍光ペンで塗りまくらない。
- Recite:本を閉じて声に出して答える。詰まったときだけ読み直す。
- Record:答えを自分の言葉で、多くても数行で。
Review:間をあけて戻ってくる
Review(復習)は、SQ4R法が読書法から勉強法に変わるステップです。その日の勉強の終わりに、答えを隠してすべての問いに目を通し、もう一度それぞれに答えてみます。さらに1〜2日後にもう一度、約1週間後にもう一度、そして試験前にもう一度行います。このように復習の間隔をあけるのは、読み返すより1分あたりの負担は大きいですが、毎回どの問いがまだ苦手かを正確に教えてくれます。
復習は能動的に行いましょう。答えを隠し、声に出すか書いて答え、それから確認します。間違えた問いには印を付け、次回はそこから始めます。学期を通して続ければ、各章の問いのシートがそのまま試験用の問題集になり、試験前の数週間は「初めてちゃんと読む期間」ではなく「練習の期間」になります。
SQ4R法の具体例:1つの章を6つのステップで
ここでは、入門ミクロ経済学の講義資料にある「需要の価格弾力性」という架空の章にこの方法を当てはめてみます。経営学部や経済学部の1年生が受け取るような資料です。
Survey(約8分)。章には4つの見出しがあります。定義と公式、弾力的な需要と非弾力的な需要、弾力性と総収入、弾力性の決定要因です。傾きの急な需要曲線と緩やかな需要曲線を比べた図が1つ、計算例のコラムが1つ、章末に確認問題が3つあります。
Question。次のように書き出します。需要の価格弾力性はどう計算するか?需要が弾力的と呼ばれるのはいつで、非弾力的と呼ばれるのはいつか?需要が弾力的なとき、価格が下がると総収入はどうなるか?ある財の需要が弾力的になったり非弾力的になったりするのはなぜか?図の急な曲線が非弾力的な需要を表すのはなぜか?
Read と Recite をセクションごとに。最初のセクションを読んだら資料を閉じて、「弾力性とは、需要量の変化率を価格の変化率で割ったもの」と言います。2つ目のあとは「絶対値が1より大きければ需要は弾力的、1より小さければ非弾力的」。3つ目のセクションでつまずきます。「収入は減る」と答えてから確認すると、需要が弾力的な場合、値下げすると総収入は増えることがわかります。販売量が、価格の下落幅以上の割合で増えるからです。そのセクションを読み直し、もう一度暗唱して、今度は正しく答えられます。
Record。それぞれの問いの下に一、二行と、公式、2本の曲線の小さなスケッチを書きます。決定要因については4つを挙げます。代替財がどれだけあるか、その財が必需品か贅沢品か、家計の支出に占める割合がどのくらいか、買い手が調整するための時間がどれだけあるか、です。
Review。その日の夜、答えを隠して5つの問いに答えます。収入の問いはまだあやふやです。2日後には5つすべてに正しく答えられたので、資料の確認問題の一つを6つ目の問いとして追加します。2つの価格の点から弾力性を計算させる問題で、まさに試験によく出るタイプです。
講義資料、スライド、長い文献リストでSQ4R法を使う
講義資料は、文章ではなく箇条書きのスライドであることが多いので、Survey は速く済み、Question がより重要になります。箇条書きは「なぜ」をほとんど説明してくれないからです。スライドが省いている説明を引き出す問いを書き、講義そのもの、教科書、参考文献からその答えを見つけましょう。
長い文献リストなら、すべてのテキストに6つのステップを通す必要はありません。すべてに Survey をかけたうえで、試験の中心になるテキストにはフルの方法を使い、背景として読む文献には軽いバージョン(Survey、いくつかの問い、短いまとめの記録)を使いましょう。
スマホで勉強するなら、ステップを紙とアプリで分担することもできます。印刷した講義資料を何ページか撮影するか、PDFをNotizAIに追加すれば、その素材からフラッシュカードとクイズ付きの構造的なノートが作られます。それで自分の Question や Recite のステップが不要になるわけではありませんが、Review のときに自分をテストするための2つ目の問いのセットになります。アプリの問いと自分の問いを比べれば、読み飛ばしたセクションがないかをすばやく確かめられます。
SQ4R法でよくある失敗
SQ4R法の問題の多くは、いつの間にか受け身の読書に戻ってしまうことから起こります。次の点に気をつけましょう。
- 時間のむだに思えて Survey を飛ばす。5分の概観で、混乱しながら読む時間を大きく減らせます。
- 見出しに「?」を付けただけの問いを書く。「なぜ」「どのように」「もし…なら」を問いましょう。
- テキストを開いたまま暗唱する。答えが見えているなら、それは思い出しているのではなく読んでいるだけです。
- 段落をまるごと書き写す。答えが数行を超えるなら、問いを2つに分けましょう。
- 一度復習しただけで終わりにする。効果は、間をあけて何度も戻ってくることから生まれます。
- 何でもフルの方法で読む。背景として必要なだけの短いテキストなら、軽いバージョンで十分です。
よくある質問
SQ4Rは何の略ですか?
Survey(概観)、Question(質問)、Read(精読)、Recite(暗唱)、Record(記録)、Review(復習)です。Rの一つを Relate(関連づけ)や Reflect(振り返り)とするバージョンもありますが、勉強法のガイドで最もよく見かけるのは Record を含むバージョンです。
SQ3RとSQ4Rの違いは何ですか?
フランシス・ロビンソンが示した SQ3R は、Survey、Question、Read、Recite、Review の5つのステップです。SQ4R はステップを一つ追加したもので、たいていは Record です。復習する前に、答えを自分の言葉で書き留めます。
SQ4R法は1章あたりどのくらい時間がかかりますか?
特に最初の数回は、ざっと一度読むより時間がかかります。Survey に数分かかり、暗唱でセクションごとに時間が増えます。その代わり、記録した問いと答えがそのまま復習の材料になるので、あとで全体を読み直す回数はたいてい少なくて済みます。
SQ4R法は数学など問題を解く科目にも使えますか?
部分的には使えます。Survey と Question はどんなテキストにも役立ちます。数学やそれに近い科目では、Recite のステップを、何も見ずに問題を解いたり証明を再現したりする作業に置き換え、文章の答えではなく解答例を記録しましょう。
講義スライドにもSQ4R法は使えますか?
はい。スライドなら Survey はすぐに終わりますが、説明が省かれていることが多いので、「なぜ」「どのように」を問う問いを書き、講義、教科書、自分のノートからその答えを見つけましょう。